社会保険に入れたくない——法人はすべて強制適用です
法人はすべて社会保険の強制適用。「本人が入りたくない」は通りません。パート適用拡大、未加入の2年遡及徴収、外国人従業員への適用。
「うちは小さい会社だからまだいい」「本人が手取りを増やしたいから入りたくないと言っている」——どちらも日本法では通りません。
法人事業所=強制適用
株式会社等の法人事業所は、人数にかかわらずすべて健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所です(健康保険法3条3項、厚生年金保険法6条1項)。社長一人の会社でも、報酬があれば社長自身が加入対象です。個人事業所は特定業種で常時5人以上の場合に強制適用。「本人が入りたくない」に法的効力はありません。
パート・アルバイトへの適用拡大
週の労働時間・月の労働日数が正社員の4分の3以上なら当然に加入。さらに4分の3未満でも、週20時間以上・月額賃金8.8万円以上・2か月超の雇用見込み・学生でない短時間労働者は、被保険者数51人以上の企業で加入対象です(2024年10月から51人以上に拡大。なお2025年6月成立の年金制度改正法により、賃金要件〔月額8.8万円〕は2026年10月に撤廃予定です)。
未加入の帰結
- 年金事務所の調査・加入指導→応じなければ職権適用となり、保険料は最長2年遡及して徴収(会社負担分+本人負担分をまず会社が納付)。
- 遡及分の本人負担分を退職者から回収するのは事実上困難で、会社が丸かぶりになりがち。
- 悪質な事案には罰則(健康保険法208条等)。
- 社保未加入ではハローワークの求人も受理されません。
外国人従業員も同じ
社会保険の適用に国籍は関係ありません。「どうせ帰国するから」は違法です。帰国時には年金保険料の脱退一時金制度があり(関連記事参照)、在留資格の更新審査でも社会保険の加入状況は見られます。未加入は会社と本人の双方を傷つけます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-09-28)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。