遅刻・無断欠勤を繰り返す社員——解雇の前に「段階」を踏む
2025-08-04
5秒でわかる結論
遅刻・無断欠勤を繰り返す社員。警告なしの解雇はほぼ無効です。口頭注意→書面警告→軽い懲戒→解雇という「段階」と記録化の実務。
週に何度も遅刻し、ときどき無断欠勤。注意しても直らない——解雇できるか。答えは「将来はできる。しかし今日はできない」です。
処分には「相当性」が必要
懲戒処分も解雇も、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要です(労契法15条・16条)。遅刻・欠勤は義務違反ですが、警告なしの初回からの重い処分は、重すぎるとして無効と判断されやすいのが実務です。
実務のステップ
- ①口頭注意+記録化(メール・日報に残す)
- ②書面での指導・警告(日時・回数など事実を特定し、改善事項と再犯時の処分可能性を明記)
- ③軽い懲戒(けん責・戒告)——就業規則に基づき、弁明の機会を付与
- ④重めの懲戒(減給・出勤停止)——減給には法定の上限があります(労基法91条)
- ⑤解雇の検討——この積み上げがあって初めて有効性が支えられます
記録がすべて
裁判所が見るのは「改善の機会を与えたか」「証拠はあるか」。記録のない指導は法廷では存在しないのと同じです。
欠勤の「理由」を先に確認する
無断欠勤の背後にメンタル不調が隠れていることがあります。理由を確認せず処分すると、後に「病気を知りながら処分した」と主張されかねません。本人の説明を聴き、必要なら受診につなげるのが手続面でもリスク管理面でも正解です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-08-04)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。