台湾から招聘した人材のCOEが不交付に——在留資格認定証明書の流れと敗因分析
海外からの人材招聘の第一関門が在留資格認定証明書(COE・入管法7条の2)です。標準フロー・審査期間(1〜3か月)・不交付の主な原因(業務と資格の不一致・会社の規模と必要性・立証不足)と再申請での改善方法。不交付に不服申立制度はなく、再申請が唯一の道です。
内定を出し、航空券も調べた段階で、入管からCOE不交付の通知——海外招聘で最もよくある挫折です。原因の多くは事前に予防できます。
COEとは
在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility:実務ではCOE):入国前に日本側(通常は受入企業)が地方出入国在留管理局に申請し、その外国人の在留資格該当性を証明するものです(入管法7条の2)。COE取得→台湾の日本台湾交流協会で査証申請→入国が標準ルートです。審査期間は標準1〜3か月(混雑期はさらに長い)——入社日から逆算したスケジュールが必要です。
不交付の典型的な原因
- 業務内容と在留資格の不一致:技人国で申請したのに業務説明書が単純作業(店頭販売・運搬・ライン作業)ばかり——最大の敗因です。業務説明には「専門知識を使う部分」の割合を具体的に書くこと。
- 学歴・職歴と業務の関連性不足:本人の専攻と職務に関連がない。台湾の学歴は卒業証書+成績証明書(履修内容)を提出し、関連性を書面で説明します。実務経験ルート(国際業務3年等)の在職証明書の収集不足もよくあります。
- 会社側の問題:設立直後・決算赤字・規模に照らした「この職位を雇う必要性」の説明不足——事業計画書・組織図・既存従業員の構成で補強します。
- 本人の在留歴:過去の留学時のアルバイト超過・出席率不良・前回在留時の届出懈怠——本人から積極的に言わないことも多く、招聘前に確認を。
- 申請書類間の矛盾:雇用契約書の賃金と申請書の記載が違うなどの初歩的ミス。
不交付になったら
- 不交付には審査請求などの不服申立制度がありません(処分性に争いあり)——現実的な対応は入管への不交付理由の聴取(窓口で確認できます)→弱点の補正→再申請です。同じ書類での再提出は同じ結果になるだけです。
- 理由が読み取れない場合は行政書士・弁護士の分析を挟む価値があります——「理由の読み方」自体が専門知識です。
台湾人経営者へのヒント
自分の会社に台湾の家族・友人を招聘する場合:親族の招聘自体は禁止されていませんが、業務上の必要性・待遇の妥当性(日本人と同等以上・入管法7条1項2号の基準省令)の審査はより厳格です。「まずCOEを取ってから仕事内容を考える」のは順序が逆で、不交付歴が残って次回に影響します。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-08-22)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。