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会社を誰に継がせるか——中小企業の事業承継、3つの道と早期着手の理由

2025-09-17

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5秒でわかる結論

中小企業の事業承継を解説。親族内承継・従業員承継(MBO)・M&Aの三類型、株式集中と売渡請求条項(会社法174条)、経営承継円滑化法の遺留分特例(除外合意・固定合意)、事業承継税制(納税猶予・特例承継計画)、拒否権付種類株式(108条1項8号)の活用まで。

経営者の平均年齢は上がり続け、後継者不在は廃業の最大原因の一つです。事業承継は「いずれ考える」問題ではありません——株式・税・遺留分の対策はいずれも年単位の時間を要します。

3つの道。①親族内承継:従業員・取引先の納得を得やすい反面、株式移転の税負担、他の相続人の遺留分、後継者の育成が課題。②従業員承継(MBO等):事業を知る幹部に承継。課題は株式買取資金と経営者保証の承継(「経営者保証に関するガイドライン」による解除交渉の活用を)。③M&A:創業者利益の実現と雇用維持が利点。仲介契約の手数料構造(両手仲介の利益相反)と表明保証条項の責任範囲に注意。

論点1:株式の集中。承継の大前提は後継者への株式集中です。親戚・元従業員に分散した株式は今のうちに買い取り、定款に相続人等に対する売渡請求条項(会社法174条)を入れて再分散を防ぐ。特別決議には3分の2が必要で、後継者には3分の2以上の確保が望ましい。

論点2:遺留分。株式を後継者に全部贈与・遺贈しても、他の子には遺留分(民法1042条以下)があり、遺留分侵害額の金銭請求を受けます。対策は経営承継円滑化法の遺留分に関する民法特例:推定相続人全員の合意+経済産業大臣の確認+家庭裁判所の許可により、自社株式を遺留分算定の基礎から除外する「除外合意」、または価額を合意時点で固定する「固定合意」が可能です。

論点3:事業承継税制。自社株式の贈与・相続の税負担は最大の障害の一つ。事業承継税制(納税猶予・免除制度)は、要件を満たせば贈与税・相続税の納税が猶予され、最終的に免除され得ます。特例措置(対象株式100%・猶予割合100%)は都道府県への特例承継計画の提出が前提で、制度には適用期限があります——利用するなら最新の期限を早めに確認してください。継続要件も細かく、税理士との協働設計が必須です。

論点4:種類株式。後継者がまだ未熟なら、拒否権付種類株式(黄金株・会社法108条1項8号)で先代が重要決議への拒否権を保持する、議決権制限株式を非後継者の子に渡して「財産の公平」と「経営権の集中」を両立させる、といった設計ができます。

事業承継は株式・税・家族法・労務の総合戦です。社長60歳が準備開始の合図です。

※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-09-17)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。

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