自宅待機命令と賃金——3つの類型で答えが変わる
2026-06-30
5秒でわかる結論
自宅待機命令と賃金を解説。①調査目的=有効だが賃金全額(民法536条2項)②懲戒の出勤停止=規則根拠・手続必要で無給可③経営上の休業=休業手当6割(労基法26条)の三類型、調査名目の長期放置・無給運用の違法性、待機中の義務の範囲、双方の動き方まで。
「明日から自宅待機」には、法的に全く異なる3つの顔があります。
3類型と賃金
- ①調査目的の自宅待機(懲戒前の事実調査):業務命令として原則有効ですが、労働者に就労意思がある以上、労務の受領拒否として賃金全額の支払義務があります(民法536条2項)。調査目的と無給は両立しません。
- ②懲戒処分としての出勤停止:就業規則上の根拠と弁明機会等の手続が必要で、処分の本質として無給が可能です。ただし処分は調査・認定の後でなければ順序が逆です。
- ③経営上の理由による休業:休業手当(平均賃金6割以上)が必要です(労基法26条)。
違法となる類型
- 調査名目での長期放置は人格権侵害・退職強要と評価され得ます。無給での調査待機は原則違法で全額請求が可能です。仕事外し目的の待機命令は権利濫用・ハラスメントに該当します。
双方の動き方
- 労働者側:理由・期間・賃金の扱いの書面確認を求め、無給・長期化なら全額請求と相談を。待機は解雇の前触れであることも多く、この段階で証拠保全を。
- 会社側:命令書に目的・期間(更新制)・全額支給を明記し、調査は最速で行うこと。「とりあえず自宅待機」の長期化が訴訟で最も打たれる点です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-06-30)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。