なぜ来日2年目に手取りが減るのか——住民税の仕組みと帰国時の精算
2026-02-15
5秒でわかる結論
住民税は「前年所得」に「1月1日の住所地」で課税(地方税法39条・318条)——だから2年目の6月から手取りが減る。退職時の一括徴収、帰国時の納税管理人(地方税法300条)。滞納したまま出国すると再来日時の審査で不利に。
「2年目の6月から急に手取りが減った」——会社が減給したのではなく、住民税の天引きが始まったのです。在日外国人が必ず踏むこの落とし穴の仕組みを説明します。
住民税の2つの特徴
- ①「前年」の所得に課税される:2025年の所得に対する住民税は、2026年6月〜2027年5月に天引きされます。だから来日1年目は住民税がなく(前年に日本での所得がない)、2年目の6月から天引きが始まります。税率はおおむね所得の10%(道府県民税+市町村民税)+均等割です。
- ②1月1日の住所地で課税される(地方税法39条・318条):1月1日にどの市区町村に住んでいたかで、その年度の住民税の納付先が決まります。1月2日に引っ越しても出国しても変わりません。
会社員の納め方:特別徴収
会社が6月から翌年5月まで12回に分けて給与から天引きして納付します(特別徴収。地方税法321条の4——会社側の義務です)。自営業者・無職の人は納付書で自分で納めます(普通徴収。6・8・10・1月の4期)。
退職・帰国のときが一番危ない
- 年の途中の退職:残りの住民税は普通徴収(自分で納付)に切り替わるか、最後の給与・退職金から一括徴収されます。1月1日〜5月31日の間の退職では原則一括徴収となり、最後の月の手取りが大きく減るので心づもりを。
- 帰国(出国):出国しても確定した住民税は消えません。1月1日に日本に住んでいれば、その年度分は全額課税されます。帰国前に、①会社に一括徴収を確認するか、②市区町村に納税管理人を指定します(地方税法300条。在日の知人・税理士に納付を委託)。
- 納めずに帰国すると滞納処分(財産差押え)の対象になるうえ、再来日時のビザ審査・永住申請で滞納は不利に評価されます。将来また日本に来たい人は必ず精算してから出国してください。
ちなみに:住民税の減免
所得の大幅減少・災害などの場合、各自治体に減免制度があります(地方税法323条)。払えない納付書が来たら、放置せず市区町村の税務課で分割納付の相談を。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-02-15)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。