裁判をしたくない労使トラブル——労働局「あっせん」は無料・非公開・1回で終わる
2026-05-01
5秒でわかる結論
労働局のあっせんを解説。個別労働関係紛争解決促進法に基づく紛争調整委員会のあっせん(無料・非公開・原則1期日)、申請から合意までの流れ、参加が任意で不参加なら打切りとなる限界、打切り後30日以内の提訴による時効接続、労働審判との使い分けまで。
解雇や賃下げに納得がいかないが、裁判までは——という人のための選択肢が労働局のあっせんです。無料・非公開・原則1期日で終わります。
制度概要
- 根拠は個別労働関係紛争解決促進法。都道府県労働局の紛争調整委員会(弁護士・学者・社労士等)が間に入ります。
- 対象は解雇・雇止め・退職勧奨・いじめ・労働条件の不利益変更等の個別紛争(係属中の事件・集団紛争は除く)。
- 流れ:申請→相手方に参加意思の確認→期日1回(別席聴取が基本)→あっせん案の提示→双方受諾で和解契約成立。
- 費用無料・非公開・申請から期日まで1〜2か月程度です。
制約——知ってから使う
- 相手方は参加を拒める(不参加なら打切り)。ただし「労働局からの通知」自体の心理的効果で参加・和解に至る例も多い。
- あっせん案に強制力はありません。
- 解決金は小型(数十万円台が中心)——請求額が大きい・証拠の攻防がある事案は労働審判・訴訟が適します。
- 打切り後は、通知から30日以内の提訴で時効の関係はあっせん申請時に遡って扱われます(完成猶予の接続)。
使いこなしのコツ
- 申請書では請求を具体化する(「解雇無効を前提に解決金○○円」)。
- 証拠(契約書・給与明細・解雇通知・録音)を整理して臨む——委員の心証があっせん案の水準に直結します。
- 会社側へ:あっせん通知を無視しないこと。参加して低額で和解するのが最安の出口であることが多く、不参加の場合の相手の次の一手は労働審判(コスト増)です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-05-01)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。