和解の口外禁止条項——設計と限界
2026-08-26
5秒でわかる結論
和解の口外禁止条項を解説。標準文言と例外(配偶者・税理士・弁護士)・双務性・SNS投稿禁止と既存投稿削除条項、違反時の損害立証の困難と違約金条項の設計、当事者の意思に反する調停条項化を国賠法上違法とした裁判例(長崎地判令和2年12月1日労判1240号35頁)、条項は抑止力にとどまるという経営判断まで。
口外禁止条項の骨格は「和解の成立及び内容を正当な理由なく第三者に開示しない」であり、配偶者・税理士・弁護士等の例外を明記し、双務とするのが通例です。SNS投稿の明示的禁止と既存投稿の削除条項も案件により必須です。
違反時の現実
- 投稿による損害額の立証は困難なため、違約金条項(民法420条)を検討しますが、過大な設定は公序良俗による調整リスクがあり、解決金返還条項は生活原資性との均衡が争われ得ます。名誉毀損に該当する投稿には削除請求・発信者情報開示の途が別にあります。
押し付けは違法
- 労働審判で当事者が拒否した口外禁止条項を調停条項に入れたことが国家賠償法上違法とされた裁判例があります(長崎地判令和2年12月1日労判1240号35頁)。口外禁止は双方の合意があって初めて成立する条項であり、条項は抑止力にとどまります。燃える素材を作らない解決の仕方が第一の防衛線です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-08-26)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。