給料をPayPayで受け取る?——「賃金デジタル払い」の条件と拒否する権利
2026-10-01
5秒でわかる結論
2023年解禁の賃金デジタル払い(労基法施行規則7条の2)。厚労大臣指定の資金移動業者限定・上限100万円・労使協定+本人同意が必要です。本人同意は必須で、会社は強制できません。破綻時は保証機関が全額保護。
「会社から、今後給料は○○Payに振り込むと言われた」——可能ですが厳格な条件があり、そしてあなたには拒否する権利があります。
原則:通貨で直接全額払い
労基法24条の原則は通貨(現金)・直接・全額・毎月1回以上・定期払いです。銀行振込は実は例外(労基法施行規則7条の2・本人同意が必要)で、2023年4月から第二の例外として資金移動業者口座(○○Pay類)への支払いが追加されました。
デジタル払いの条件
- 厚生労働大臣が指定した資金移動業者に限る(2023年以降順次指定。PayPayが第1号)。
- 口座残高の上限は100万円——超過分は銀行口座へ自動送金されます。
- 事業場で労使協定を締結したうえで、一人ひとりの書面同意を取得(資金保全・換金方法等の説明が必要)。
- 業者が破綻した場合は保証機関が全額保護。不正出金も原則全額補償されます。
外国人によくある誤解と注意点
- 会社は強制できません。「全員○○Payに切り替え」という一律強制は労基法24条違反——同意しない人は銀行口座を使い続ける権利があります。
- 逆に、日本の銀行口座をまだ持たない来日直後の外国人には、デジタル払いが便利な場合もあります(開設のハードルが低い)。ただし家賃・公共料金は銀行口座が必要なことが多く、銀行口座の開設を優先すべきです。
- 「海外送金アプリで直接台湾へ」は現在指定の範囲外——給料を海外口座へ直接支払うことはできません。
経営者側
導入の流れ:指定業者の選定→労使協定→就業規則(賃金規程)改定→個別同意書。同意書は保管してください(労基署調査で確認されます)。協定・同意なしの導入は24条違反(30万円以下の罰金)です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-10-01)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。