詐欺で振り込んでしまったら——「振り込め詐欺救済法」でいくら戻るか
2025-05-24
5秒でわかる結論
騙されて振り込んだら、直ちに振込先銀行へ連絡して口座凍結を——振り込め詐欺救済法により残高から按分分配を受けられます。残高ゼロなら戻らないのでスピードが命。入管・公安なりすまし等、華人を狙う典型手口も解説。
「入管を名乗る電話」「大使館・公安を名乗る電話」「ネット通販詐欺」「投資グループ詐欺」——在日華人を狙う詐欺は非常に多く、しかも中国語でかかってきます。騙されて振り込んだ後、お金が戻るかどうかは行動の速さで決まります。
最初にやること:口座を凍結させる
- 日本には振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律。平成19年法律第133号)があります。
- 詐欺に気づいたら、直ちに「振込先」の銀行(自分の銀行だけではありません)に詐欺利用口座である旨を連絡し、警察(110番又は最寄りの警察署)に届け出ます。銀行は確認のうえ口座を凍結します。
- その後、預金保険機構の公告手続を経て、口座に残った資金が被害者の被害額に応じて按分して分配されます(被害回復分配金)。
ポイントと限界
- スピードがすべて:詐欺グループは通常、数時間〜数日で資金を引き出します。残高ゼロならこの制度ではお金は戻りません。
- 公告後に申請期間(60日以上)があり、期間内に銀行へ被害申請(本人確認資料・振込記録など)を提出する必要があります。
- この法律が救済するのは「銀行口座への振込」型の被害です。現金の手渡し・ギフトカード(プリペイドカード)の番号を伝える型・暗号資産の送金型は対象外で、刑事告訴と民事請求(民法709条)によるほかなく、実際の回収は困難なことが多いです。
華人を狙う典型的な手口
- 入管・大使館のなりすまし:「在留カードに問題がある」「マネーロンダリングの疑いがあるので資金を調べる」——公的機関が電話で送金を求めることはありません。すべて詐欺です。
- 中国公安・検察のなりすまし:ビデオ通話で「逮捕状」を示し「資金審査」を要求する手口。
- 地下送金(両替グループ):それ自体が無登録の資金移動業(銀行法・資金決済法違反)に当たり得るもので、騙されても助けを求めにくい。絶対に避けてください。
警察への届出で言葉が通じない場合は通訳を求めるか、日本語のできる知人の同行を。警察相談専用電話#9110、消費者ホットライン188も利用できます。被害額が大きい場合は早めに弁護士に相談し、口座名義人・受取人への民事請求(不当利得・不法行為)を検討しましょう。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-05-24)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。