買った家が雨漏り・シロアリ・耐震不足——「契約不適合責任」の請求手段と期限
2026-01-02
5秒でわかる結論
2020年民法改正で瑕疵担保責任は契約不適合責任に(民法562条以下)。買主の手段は追完請求・代金減額・損害賠償・解除の四つ。不適合を知ってから1年以内の通知が必要です(566条)。現状有姿特約・免責特約の効力(宅建業者売主は宅建業法40条で制限)も解説。
中古戸建てを買って入居3か月、大雨で雨漏り、床下にはシロアリ——「現状有姿で売ったから」で終わり?そうではありません。
契約不適合責任(民法562条以下)
引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合、買主には4つの手段があります:
- 追完請求(562条):修補・代替物の引渡し——不動産では修補請求が中心です。
- 代金減額請求(563条):催告しても修補されない場合など。
- 損害賠償(564条・415条):売主に帰責事由がある場合。修補費用・調査費用など。
- 契約解除(564条・541条542条):不適合が軽微でない場合。
期限——ここで最も負けやすい
- 不適合を知った時から1年以内に売主へ通知(民法566条:種類・品質の不適合)——通知しないと権利が消滅します(売主が悪意・重過失の場合は例外)。通知は不適合の内容が把握できる程度でよいのですが、書面(内容証明)で残すこと。
- 別途、消滅時効もあります(知った時から5年・引渡しから10年)。
- 契約書の特約が優先:個人間売買では「契約不適合責任免除」「引渡後3か月限定」などの特約が有効です(任意規定)。ただし売主が知りながら告げなかった不適合については免責されません(572条)。
- 宅建業者が売主の場合:引渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効です(宅建業法40条)——「免責」「3か月」は書いてあっても無効です。
実務の進め方
- 問題発見→写真・動画で記録→専門業者の調査報告書(原因・修補費用の見積り)。
- 内容証明で通知(1年期限の確保)→交渉→調停・訴訟。
- 争点は「契約の内容」:築40年の家の経年劣化は不適合ではありません——契約書・重要事項説明書・告知書に何が書かれていたかがすべてです。買う前にインスペクション(建物状況調査)を入れる・告知書の記載を細かく確認するのが最大の防御です。
- 仲介業者の責任:調査説明義務違反(知り得た瑕疵の不告知)があれば、仲介業者にも損害賠償を請求する余地があります。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-01-02)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。