「研修期間は時給なし」の違法性——訓練時間も労働時間
2025-08-22
5秒でわかる結論
「研修期間は時給なし」の違法性を解説。指示参加の研修は指揮命令下の労働時間(三菱重工長崎造船所事件・最一小判平成12年3月9日民集54巻3号801頁)、最低賃金法4条による補正、「自由参加」の例外の狭さ、試の使用期間の減額特例(最賃法7条2号)には労働局長許可が必要なこと、差額請求の方法まで。
会社の指示で参加する研修・訓練の時間は労働時間であり、無給や最低賃金未満の扱いは違法です。
法的枠組み
- 労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれた時間です(三菱重工長崎造船所事件・最一小判平成12年3月9日民集54巻3号801頁)。指示参加の研修・開店前練習は該当します。
- 労働時間である以上、賃金が発生し最低賃金法が適用されます(最賃法4条:最低賃金未満の定めは無効となり最低賃金額で補正)。「研修中時給0円」の合意は当然に無効です。
「自由参加」の例外は狭い
- 不参加に何の不利益もない真の自由参加のみが労働時間外です。不参加だとシフトに入れない・査定で減点される等の事実上の強制があれば労働時間です。名目ではなく実態で決まります。
試用期間の減額の真実
- 試用期間中の低めの賃金設定自体は可能ですが、最低賃金は下回れません。最低賃金未満とするには「試の使用期間」の減額特例許可(最賃法7条2号・都道府県労働局長)が必要で、実務上の許可例はごく少数です。口頭の「試用期間は割引」はほぼ違法と考えてよい状況です。
請求方法
- 研修指示の記録・時間の記録・賃金明細を揃え、差額(最低賃金−実支給時給)×時間数を遅延利息とともに請求します。時効は3年。最賃法違反には罰則(50万円以下の罰金)があり、労基署申告も有効です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-08-22)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。