子どもが学校でいじめられている——いじめ防止対策推進法が保護者に与える武器
2026-08-10
5秒でわかる結論
いじめ防止対策推進法(2013年):学校には調査義務があり(23条)、「重大事態」(28条:不登校30日目安など)では第三者調査委員会が設置されます。記録→担任→校長・教育委員会(書面)→重大事態の申告という親の行動手順と、加害者側への損害賠償(民法714条)を解説。
子どもが学校に行きたがらない、体に傷・持ち物が壊れている——外国人家庭は「言葉の壁・大ごとにしたくない」で我慢しがちです。日本の法律は保護者に明確な武器を与えています。
いじめ防止対策推進法
- いじめの定義は広い(2条):対象の児童が「心身の苦痛を感じている」行為は該当します——ネット(LINEグループ外しなど)も明文で含まれます。「ふざけただけ」は抗弁になりません。
- 学校の義務:相談を受けたら事実確認・調査(23条2項)、被害児童の支援・加害児童への指導(23条3〜5項)。
- 重大事態(28条):①生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑い②相当期間(目安30日)の不登校の疑い——学校設置者・学校には組織的調査(第三者委員会など)の義務があります。保護者から「重大事態です」と申し立てれば調査すべきとされています(文科省ガイドライン)。
保護者の行動の順序
- 記録:日時・行為・加害者名・子どもの話(録音可)・傷の写真・診断書・壊された物・LINEのスクリーンショット。
- 担任との面談→改善がなければ校長宛てに書面(「いじめ防止対策推進法23条に基づく調査を求めます」の一文が効きます)。口頭は「聞いていない」にされます。
- 学校が動かない→教育委員会(公立)・都道府県の私学担当(私立)へ書面で申告。
- 不登校30日・重大な被害→重大事態の調査請求。調査委員会の構成・調査事項に保護者の意見を出せます。
- 並行手段:法務局の人権相談(外国語可)・警察(暴行・傷害・恐喝は犯罪です——「学校内だから民事」ではありません)・弁護士会の子どもの人権窓口。
法的責任の整理
- 加害児童側:責任能力(目安12歳前後)のない子の行為は監督義務者(親)が賠償責任を負います(民法714条)。責任能力のある未成年でも、親の監督義務違反を理由に714条・709条で親の責任を問う裁判例が定着しています。
- 学校側:公立→国家賠償法1条(安全配慮・いじめ防止措置の懈怠);私立→在学契約上の安全配慮義務(民法415条)。いじめ自殺の事案で学校・設置者の責任を認めた裁判例は多数あります。
- 時効:人身損害の不法行為は5年(民法724条の2)——ただし証拠はすぐ消えます。記録がすべてです。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-08-10)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。