賃貸の「更新料」は合法か——最高裁判決と貸主・借主それぞれの実務
2026-05-22
5秒でわかる結論
賃貸の更新料を解説。更新料条項は契約書に一義的・具体的に記載され賃料額等に照らし高額に過ぎない限り消費者契約法10条に反せず有効(最二小判平成23年7月15日民集65巻5号2269頁)、更新事務手数料との区別、法定更新時の請求には明記が必要なこと、借主・貸主双方の実務まで。
賃貸契約の2年満了時に「更新料1か月分+更新事務手数料0.5か月分」を請求される——台湾にはない日本独特の慣行です。この更新料は合法なのか、拒めるのかを整理します。
更新料とは
- 更新料:契約期間(通常2年)満了時の更新に際して貸主に支払う金銭。関東では新賃料の1か月分が相場で、関西には1年更新・高め設定の地域慣行もあります。法律上の定めはなく、純粋に契約の約定です。
- 更新事務手数料:管理会社に支払う事務費。支払先が異なる別物です。
最高裁の結論——原則有効
更新料条項が消費者契約法10条に反しないかは下級審で判断が分かれていましたが、最二小判平成23年7月15日民集65巻5号2269頁が整理しました。更新料には賃料の補充・前払い、契約継続の対価等の性質があり不合理とはいえず、契約書に一義的かつ具体的に記載され、賃料額・更新期間に照らして高額に過ぎない限り、消費者契約法10条に反せず有効——同事件では1年更新・賃料2か月分の更新料も有効とされています。
借主側の実務
- 契約前に更新料条項を確認する——署名したら支払義務があり、「知らなかった」は通りにくい。
- 条項がない契約で事後に請求される更新料には根拠がありません。
- 支払いたくなければ「更新料なし」物件(UR賃貸等)を選ぶか、更新時期での転居と比較する。
- 約定済みの更新料の不払いは債務不履行です。それだけで解除に至るかは信頼関係破壊の程度によりますが、滞納記録が残るリスクを冒すべきではありません。
貸主側の実務
- 条項には金額(または算定方法)と支払時期を明記する。「更新時に協議」式の曖昧な条項は請求時に最も弱い。
- 法定更新(借地借家法26条)の場合に更新料を請求できるかは裁判例が分かれており、「法定更新の場合も支払う」旨の明記が必要です。
- 外国人借主には契約時に更新料・更新時期を母語か平易な日本語で説明しておくと、更新時のトラブルを大きく減らせます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-05-22)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。