ネットバンキング不正送金・フィッシング被害——補償のルールと勝負の72時間
2026-04-13
5秒でわかる結論
フィッシング・ネットバンキング不正送金の被害対応を解説。全銀協申し合わせによる個人の原則補償と過失による減額、預金者保護法・クレジットカード60日ルールとの区別、銀行連絡→警察届出→証拠保存という72時間の初動、振り込め詐欺救済法による分配金、予防の三原則まで。
宅配業者や銀行を装うSMSのリンクを踏んでパスワードを入力し、翌日口座から80万円が消えた——取り戻せるのか。多くの場合は可能ですが、過失の有無と初動の速さ次第です。
補償のルールマップ
- ネットバンキング不正送金(個人):全国銀行協会の申し合わせにより、無過失なら原則全額補償、過失があれば程度に応じて減額。法人は原則対象外(各行の契約次第)で、会社口座の管理責任はより重い。
- 過失とされる例:ID・パスワードを他人の見える場所に保管、明らかに不審なサイトに入力した後の放置、銀行の警告の無視。騙されたこと自体が直ちに過失ではありませんが、事後の遅延は致命的です。
- 偽造・盗難キャッシュカードのATM被害は預金者保護法の世界(無過失全額・軽過失75%等の法定ルール)。
- クレジットカード不正利用は会員規約により原則申告前60日分が補償対象——明細は毎月確認を。
勝負の72時間——行動の順序
- ①銀行(最優先・24時間窓口):ネットバンキング停止・凍結・組戻し依頼。振込先口座の凍結後は振り込め詐欺救済法により残高から按分の分配金を受けられる可能性があります。
- ②警察:サイバー犯罪相談窓口(#9110)→被害届。受理番号は銀行の補償手続の必要書類です。
- ③証拠保存:SMS・偽サイトURL・取引履歴のスクリーンショット。スマホの初期化はしない。
- ④パスワードの全面変更(使い回し先すべて)・カード再発行。
予防の三原則
①SMS・メールのリンクは一律踏まない(公式アプリ・ブックマークから入る)②取引通知+限度額設定③「銀行がSMSでパスワード入力を求めることはない」——この一文で99%は見破れます。日本語が読めない家族ほどリンクを踏みやすいので、家庭内での共有を。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-04-13)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。