離職票が届かない、失業給付が受けられない——会社の手続義務とハローワークという突破口
離職票が届かないときの対処を解説。会社の10日以内の手続義務(雇用保険法7条)、ハローワークへの直接申出と職権確認(9条)、受給期間1年の注意、離職理由(自己都合/会社都合)への異議まで。
退職して2週間、離職票がまだ来ない。これがないと基本手当(失業給付)の手続ができません。会社が遅らせているときの対処法です。
会社の法的義務
会社は被保険者資格喪失日(退職日の翌日)から10日以内に、管轄ハローワークへ雇用保険被保険者資格喪失届と離職証明書(本人が離職票の交付を希望する場合。59歳以上は必須)を提出しなければなりません(雇用保険法7条、施行規則7条)。その後ハローワークが離職票-1・-2を発行し、会社経由で本人に交付されます。手続をしない会社は雇用保険法違反です(83条1号・6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)。
届かないとき——三段階の突破法
- 会社への催促(メールで証拠を残す):「雇用保険法7条に基づき○日までに資格喪失届の提出と離職票の交付を求めます」。総務の怠慢であることが多く、一度の催促で動くことがほとんどです。
- ハローワークへ直接申出:「会社が離職票を出さない」と伝えれば、ハローワークが会社に督促・指導します。会社が非協力でも、ハローワークは職権で被保険者資格の喪失を確認して手続を進められます(雇用保険法9条)。
- 先に求職の申込み:基本手当の受給期間は原則離職日翌日から1年です(雇用保険法20条)。離職票の遅れでこの期間は延びないため(受給期間延長申請の例外あり)、先にハローワークで求職登録をして事情を説明しましょう。仮手続の運用もあります。
離職理由への異議
離職票-2には会社側が記入した離職理由が載ります。自己都合か会社都合(解雇・退職勧奨等)かで給付が大きく変わります:会社都合(特定受給資格者)は給付制限期間がなく、所定給付日数も長くなり得ます。実際は退職勧奨やハラスメント起因なのに「自己都合」とされていたら、離職票-2の本人記入欄で異議を示し、証拠(勧奨の録音・メッセージ、ハラスメントの記録)を提出してください。最終的な離職理由はハローワークが判定します。
外国人の注意点
- 就労系在留資格でも、失業後の在留期間内の求職と基本手当の受給自体は問題ありません。ただし長期の無職は次回更新に影響し得るため、早めの再就職か資格変更の検討を。
- そもそも雇用保険に未加入だった場合は、遡及加入の確認請求ができます(原則2年)。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-07-15)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。