労災の後遺症——障害等級1〜14級はどう決まり、年金と一時金でいくら違うか
2025-09-19
5秒でわかる結論
労災の障害(補償)給付を解説。治癒(症状固定)後に残った障害の等級認定(1〜7級は年金・8〜14級は一時金)、障害特別支給金、等級への不服申立て(審査請求)、会社への損害賠償請求との調整(損益相殺)まで。
治療が終わった(症状固定)のに指が曲がりきらない・耳鳴りが残る——労災の「後遺障害」給付の場面です。等級が1つ違うと金額は大きく変わります。
障害(補償)給付の構造(労災保険法15条・別表)
| 等級 | 給付形態 | 金額(給付基礎日額換算) |
|---|---|---|
| 第1〜7級 | 年金(毎年) | 313日分(1級)〜131日分(7級)/年 |
| 第8〜14級 | 一時金(1回) | 503日分(8級)〜56日分(14級) |
加えて障害特別支給金(1級342万円〜14級8万円)、賞与ベースの障害特別年金・特別一時金があります。1・2級等で介護が必要なら介護(補償)等給付も。
等級の決まり方
- 認定基準:障害等級表(労災保険法施行規則別表第1)+部位別の認定基準(通達)。視力・聴力・関節可動域・神経症状など、部位と程度への当てはめです。
- 流れ:症状固定→様式第10号+医師の障害診断書提出→労基署(必要に応じ地方労災医員の意見・面談)→決定。
- 診断書が勝負:可動域の測定値・自覚症状の記載が等級を左右します。主治医に日常生活の支障を具体的に伝え、測定漏れを防ぎましょう。
金額のイメージ
給付基礎日額1万円の場合:14級(56日分)=56万円+特別支給金8万円。12級(156日分)=156万円+20万円。7級(年金131日分)=毎年131万円+一時金159万円。むちうちの神経症状は12級か14級、関節の機能障害は10〜12級が多いなど、部位ごとのおおよその相場があります。
不服なら審査請求
非該当や低すぎる等級には、決定を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(労災保険審査官)→再審査請求→取消訴訟。新しい医証(再測定・画像)の追加が実務の鍵です。
民事賠償との関係
- 労災給付は慰謝料をカバーしません。後遺障害慰謝料(裁判基準で等級に応じ110万〜2,800万円程度)と給付で足りない逸失利益は、会社(安全配慮義務違反)や加害者への民事請求で回収します。
- 支給調整:同一の損害項目(逸失利益と年金等)は二重取りできませんが、慰謝料と特別支給金は調整の対象外です。
- 外国人も在留資格を問わず全く同様に給付対象です。帰国後も年金は受給できます——帰国前に住所変更等の手続を。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-09-19)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。