36協定がなければ残業は1分でも違法——日本の残業制度の大前提
2025-06-16
5秒でわかる結論
36協定の締結・届出がなければ残業は1分でも違法(罰則あり)。原則月45時間・年360時間、特別条項の上限、労働者代表選出の注意点。
「残業代を払っているから残業させても問題ない」——その前に、多くの経営者が知らない手続があります。これがなければ残業は1分でも違法です。
36協定とは
労基法の法定労働時間は1日8時間・週40時間(32条)で、これを超える労働は原則違法です——残業代を払っても同じです。例外の通路が36条:事業場の過半数労働組合(なければ過半数代表者)と書面協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることで、協定の範囲内の残業が可能になります。通称「36(サブロク)協定」です。
36協定なし(未届出)の残業は労基法32条違反で罰則があります(119条1号)。残業代の支払いで違法性は治癒されません。協定は事業場での周知も必要です。
上限:原則月45時間・年360時間
- 原則:月45時間・年360時間(36条4項)。
- 特別条項:臨時的・予見できない業務量の大幅増加の場合に原則上限を超える定めが可能。ただし年720時間以内、単月100時間未満(休日労働含む)、45時間超は年6回まで(36条5項)。
- 上限に違反する協定は無効で、超過分の残業は32条違反に戻ります。
チェックリスト
- まず36協定を届け出ているか確認:新設会社の漏れ、期限切れ(有効期間は通常1年)の更新忘れが多発ポイント。
- 労働者代表の適正な選出:会社が指名した「代表」との協定は無効となり得ます。投票・挙手等の民主的方法で。
- 実労働時間を協定と照合して管理:協定が45時間でも実態が常時60時間なら協定では救われません。
- 月中の累計が上限に近づいたら警報を:単月100時間(休日労働込み)は超えてはならない線です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-06-16)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。