最低賃金の減額特例——「最賃を下回れる」唯一の例外
2025-12-04
5秒でわかる結論
最低賃金の減額特例を解説。最賃未満の定めの無効と差額請求(最賃法4条2項)、都道府県労働局長の許可による減額特例(7条)の5類型(障害・試の使用期間・職業訓練・軽易業務・断続的労働)、許可の大半が障害者類型である運用の現実、技能実習生・特定技能への不適用、労働者側の確認方法まで。
最低賃金を下回る唯一の合法ルートが減額特例許可です。無許可の「合意」は一切無効です。
原則
- 最低賃金未満の賃金の定めは無効で、最低賃金額で約定したものとみなされます(最賃法4条2項)。差額は遡及請求でき、違反には罰則があります。
例外:減額特例許可(最賃法7条)
都道府県労働局長の事前許可を得た場合に限り、許可された減額率での支払いが可能です。対象は次の5類型です。
- ①精神・身体障害により労働能力が著しく低い者(個別・業務別の審査。「障害があるから減額可」ではありません)
- ②試の使用期間中の者(ただし一般企業で許可される例はごく僅かで、無許可の「試用期間8割」は単純な違法です)
- ③認定職業訓練を受ける者④軽易な業務に従事する者⑤断続的労働に従事する者(監視員等)
運用の現実
- 許可の大半は①の類型です。減額率には客観的な能力評価の根拠が必要で、低賃金の固定化への批判もあり運用は厳格化しています。
- 技能実習生・特定技能外国人には減額特例は使えず、「実習生だから安くてよい」に法的根拠はありません。
- 労働者側は、給与明細の時給換算と都道府県別最低賃金(毎年10月前後に改定)を照合し、下回っていれば許可書の確認を求め、無許可なら差額請求・労基署申告が可能です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-12-04)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。