「外国人だから」は通用しない——日本の労働法は外国人従業員にも全部適用
2026-05-04
5秒でわかる結論
日本国内で働く限り、国籍を問わず日本の労働法が全部適用。労基法3条は国籍による差別を罰則付きで禁止。台湾人が台湾人を雇っても同じです。
「外国人だから条件は多少低くてもよい」——日本では、この発想自体が違法の入口です。台湾人経営者にはもう一つ重要な点があります:経営者も従業員も台湾人であっても、日本で働く以上、適用されるのは日本の労働法です。
原則:日本で働く=日本の労働法が全部適用
労働基準法・最低賃金法・労災保険……これらは日本国内の労働に適用され、国籍を問いません。具体的には:
- 最低賃金を下回る時給 → 違法。
- 残業代(1.25倍〜)→ 支払いが必要。
- 年次有給休暇 → 当然に発生。
- 解雇規制(客観的に合理的な理由が必要)→ 同様に適用。
労基法3条:国籍差別の明文禁止
さらに労基法3条は、労働者の国籍・信条・社会的身分を理由とする賃金・労働時間その他の労働条件の差別的取扱いを明文で禁止しています。違反には罰則があります。
- 「同じ仕事で外国人は時給200円低い」→ 違法。
- 「有休は日本人だけ」→ 違法。
- 民族・国籍を貶める言動はパワハラ該当性の判断でも考慮され(運用通達)、国籍を侮辱する発言がパワハラと認定された裁判例もあります(辻・本郷税理士法人事件)。
台湾人経営者が特に注意すべき場面
- 台湾人が台湾人を雇う場合:「身内だから台湾式で」は通用しません。労働条件通知書・労働時間管理・残業代、すべて日本法どおりに。
- 台湾本社からの出向者:日本で勤務する間は原則として日本の労働法の保護を受けます。
- 留学生アルバイト:週28時間の上限は入管法の問題ですが、賃金・有休は労働法の問題——両方の遵守が必要です。
経営者への一言
外国人従業員を「日本人従業員と同じに扱う」ことが、最良のコンプライアンスであり、人材定着の最良の方法でもあります。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-05-04)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。