外国人を雇う前に在留カードで見るべき3点——不法就労助長罪の恐怖
就労資格のない外国人を雇うと不法就労助長罪(3年以下の拘禁刑等)。「知らなかった」では原則免責されません。在留カードで見るべき3点。
人手不足のなか、せっかくの応募者をすぐ採用——その前に、外国人の場合は絶対に省略できない手続があります。在留カードの確認です。怠った代償は刑事責任になり得ます。
不法就労助長罪:「知らなかった」では原則免責されない
就労資格のない外国人を雇用して働かせると、会社は不法就労助長罪(入管法73条の2)に問われ得ます。法定刑は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(併科あり)。しかも成立済みの改正法により、2027年4月1日からは5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金に引き上げられます。
最も重要な点:「就労資格がないと知らなかった」ことを理由に原則免責されません。在留カードの確認を怠るなど過失があれば処罰され得ます。法律は雇主による能動的な確認を求めているのです。
在留カードで見るべき3点
- ①在留資格:その資格で予定している仕事ができるか。たとえば「技術・人文知識・国際業務」では工場ラインや飲食店の現場作業等の単純労働は原則不可。資格と業務内容の不一致も不法就労です。
- ②在留期間の期限:期限切れ=不法残留。雇用中も期限を管理し、更新を確認して継続雇用します。
- ③就労制限の有無:「就労不可」の記載がある場合(留学生等)は裏面の「資格外活動許可」を確認。許可のある留学生のアルバイトは週28時間が上限で、超過は雇主側の責任にもなります。
確認は本人と対面で。偽造カードも流通しており、出入国在留管理庁の無料「在留カード等読取アプリケーション」でICチップから真正性を確認できます。
もう一つの義務:外国人雇用状況の届出
外国人の雇入れ・離職の際は、ハローワークへの「外国人雇用状況届出」が義務です(労働施策総合推進法)。雇用保険被保険者なら資格取得届と一体で足ります。
チェックリスト
- 採用前:対面で3点確認+アプリで真正性確認+写しを保管。
- 雇用中:在留期限の管理表(期限前に更新確認)。
- 留学生:週28時間の管理(掛け持ちバイトは合計で28時間)。
- 資格で可能な業務か判断に迷うときは、専門家に確認してから採用。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-08-08)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。