社内不正調査の進め方——保全が先、対質は最後
2025-12-26
5秒でわかる結論
社内不正調査の進め方を解説。証拠保全先行の初動(フォレンジック前のPC保全・権限停止)、周辺から固めるヒアリングの順序、調査協力義務の範囲(富士重工業事件・最三小判昭和52年12月13日民集31巻7号1037頁)、業務PC調査の根拠、懲戒・民事(仮差押え)・刑事告訴(業務上横領253条等)の三軌と外部調査委員会まで。
不正発覚時の最大の失敗は、直ちに本人を問い詰めることです。証拠の削除・口裏合わせ・失踪を招きます。
初動
- 会計帳票・メール・業務PC・入退室記録の保全が最優先です(フォレンジック調査前にファイルを開かない)。アクセス権限・印章・銀行権限を停止し、必要なら自宅待機命令(調査目的・賃金は原則全額)を発します。
ヒアリングの順序と限界
- 周辺から固めて本人は最後に、2人体制・記録化・本人署名で行います。従業員の調査協力義務は職務関連性等の範囲に限られます(富士重工業事件——最三小判昭和52年12月13日民集31巻7号1037頁)。自白強要型の聴取は会社側の違法行為になり得ます。メール・PC調査は業務用機器+社内規程の根拠があれば原則可能です。
調査後の三つの軌道
- ①懲戒(根拠・該当性・相当性+弁明機会。拙速な処分は覆されます)②民事(損害賠償・不当利得。仮差押えは財産があるうちに)③刑事告訴(業務上横領253条・背任247条・詐欺246条。調査報告書の品質が受理を左右します)。金額・組織性次第で外部専門家の調査委員会を検討すべきです。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-12-26)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。