日台間に社会保障協定はない——駐在員の年金二重負担と脱退一時金
2026-02-16
5秒でわかる結論
日台間に社会保障協定がないため台湾人駐在員の年金保険料は二重負担になる問題を解説。脱退一時金(6か月以上加入・出国後2年以内請求・2021年4月以降出国は上限60か月分)、源泉20.42%と納税管理人を通じた還付、受給資格期間10年と「年金を残す」選択、会社側の派遣設計まで。
台湾企業が日本拠点に人を送ると、日本の厚生年金に強制加入する一方、台湾側の保険も続き、保険料の二重負担と加入期間の通算不能が生じます。
1 なぜ二重負担になるか
- 日本は23か国と社会保障協定を発効済みだが、台湾とは協定がない。
- 日本の適用事業所でフルタイム勤務すれば厚生年金・健康保険は国籍・派遣形態を問わず強制加入。台湾側と両方払う状態が常態化し、期間の通算もできない。
2 救済①:脱退一時金
- 要件:厚生年金等に6か月以上加入、日本国籍なし、資格喪失・出国後2年以内の請求、年金受給権がないこと。
- 額は加入月数に応じ上限60か月分(2021年4月以降の出国者。従前は36か月分)。
- 受給するとその期間の加入記録は消滅し、再来日時はゼロから。
3 救済②:10年で日本の年金受給権
受給資格期間は2017年8月から10年に短縮。長期駐在・永住見込みなら、脱退一時金を取らず期間を残す方が有利な場合があります(60か月超の部分はもともと戻らない)。
4 会社側の設計
- 駐在条件書に社会保険料負担と脱退一時金の帰属を明記。
- 出国後2年の請求期限を離任手続チェックリストに組み込む。
- 脱退一時金には20.42%の源泉徴収があり、納税管理人を通じた退職所得の選択課税で還付を受けられる。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-02-16)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。