非居住者への支払と源泉徴収——家賃・報酬を台湾へ送る前の20.42%
2025-06-15
5秒でわかる結論
非居住者への支払と源泉徴収を解説。国内源泉所得への20.42%(賃料・報酬・使用料)・10.21%(不動産譲渡対価)の源泉徴収義務(所得税法212条・213条)、徴収漏れの責任は支払者にあること、帰国した大家への家賃・台湾フリーランサーへの報酬等の典型場面、日台民間租税取決めによる軽減と事前届出まで。
借りているオフィスの大家さんが台湾へ帰国した——来月から家賃をそのまま送金してよいか。答えは否。大家が非居住者になった時点から、支払う側に源泉徴収義務が生じます。
基本構造
- 非居住者・外国法人に国内源泉所得を支払う者は、支払時に源泉徴収し(所得税法212条)、翌月10日までに納付します。
- 税率(213条):不動産賃料・人的役務報酬・使用料等は20.42%、不動産譲渡対価は10.21%、利子等は15.315%。
- 徴収漏れの責任は支払者にあり、本税+不納付加算税+延滞税を追徴されます。「相手が不要と言った」は免責になりません。
台湾がらみの典型場面
- 帰国した大家への家賃:法人借主・事業用の個人借主は20.42%を源泉して差額を送金(個人の自住用賃借は例外的に不要)。大家側は確定申告で精算します。
- 台湾のフリーランサーへの業務報酬:作業がすべて台湾国内で完結するなら原則として国内源泉所得に当たらず源泉不要、日本国内での作業分は対象——契約書に作業地を明記して線を引くこと。
- 非居住者からの不動産購入:買主が10.21%を源泉(1億円以下の自己居住用等は例外)。失念による追徴例が非常に多い類型です。
- 台湾企業へのロイヤルティ:20.42%ですが、日台間の取決めで10%まで軽減可能。
日台民間租税取決めによる軽減
- 日台間に正式な租税条約はなく、民間取決め+特例法(外国居住者等所得相互免除法)が国内法上の効力を与えています。使用料10%・配当10%/15%・利子10%等の上限、PEなき事業所得の免除など。
- 適用には支払前に所定の届出書を支払者経由で税務署へ提出するのが条件——事前手続が鉄則です(事後の還付請求は手間がかかります)。
実務チェックリスト
①支払先は居住者か非居住者か(出国予定も確認)②所得の種類と国内源泉該当性③税率と軽減(届出書)④納付期限。高額取引ほど、支払前の税理士相談料の方が追徴より安くつきます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-06-15)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。