非居住者が日本の不動産を売ると買主が10.21%源泉徴収——見落としがちなルール
2025-07-01
5秒でわかる結論
非居住者が日本の不動産を売却すると、買主は原則として売買代金の10.21%を源泉徴収する義務があります(所得税法212条)。例外は1億円以下かつ買主の自己居住用の場合。帰国後に売却する台湾人オーナー必読。
「もう台湾に帰国したので東京のマンションを売りたい」——このとき多くの人が知らないルールがあります。買主が売買代金から10.21%を差し引いて税務署に納めるのです。
制度の構造
- 非居住者が日本国内の不動産を売却する場合、買主(対価の支払者)は原則として対価の10.21%を源泉徴収して納付します(所得税法212条・213条)。
- 義務者は買主です。徴収を怠ると税務署は買主に追徴できるため、実務では買主・仲介会社が売主の居住者性を厳格に確認します。
- 売主は翌年確定申告で本来の譲渡所得税額を計算し、源泉分との差額を精算します。10.21%は「前払い」であり最終税額ではありません。
例外(源泉徴収不要)
売買代金が1億円以下で、買主が個人・自己または親族の居住用に購入する場合は源泉不要です。投資用や法人の購入にこの例外はありません。
「非居住者」とは
- 所得税法上の居住者=日本に住所があるか、現在まで引き続き1年以上居所がある者(所得税法2条1項3号)。出国して生活の本拠が海外に移れば通常は非居住者です。
- 「永住権がある」「日本の口座がある」ことは居住者判定とは無関係です。日台を行き来しているような微妙なケースは個別の検討が必要です。
売主(非居住者)側の実務
- 資金計画は手取り=代金−10.21%で組む(決済時に差し引かれます)。
- 納税管理人を選任(税務署に届出)→翌年の確定申告で還付を受ける。還付額は小さくないことが多く、申告を諦めないこと。
- 登記上の住所から転出済みの場合、住民票除票や在留カードに代わる証明書類が必要になるため、司法書士と早めに調整を。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-07-01)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。