台湾在住でも日本の不動産には日本の相続税——国際相続の課税ルール
2025-07-20
5秒でわかる結論
日本国内の不動産は、被相続人・相続人の居住地を問わず日本の相続税の課税対象です。基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人、台日間に相続税の租税協定はなく、申告期限は10か月。
「父は台湾人で台湾在住、東京に賃貸マンションを1室持っているだけ」——その父が亡くなると、その物件には日本の相続税がかかります。日本不動産を持つ家庭が知っておくべき国際相続の課税ルールです。
日本の相続税の課税範囲
- 日本国内財産(国内不動産が典型):被相続人・相続人がともに海外在住の外国人でも、日本の相続税の課税対象です(相続税法1条の3・2条——制限納税義務者への国内財産課税)。
- 相続人が日本在住の場合は国外財産にも課税が及び得ます(無制限納税義務者)——日本で働く子世代は特に注意。
計算の基本
- 基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人数(相続税法15条)。課税対象の遺産総額がこれ以下なら申告・納税は不要です。
- 不動産の評価:土地は原則路線価(市価の8割程度)、建物は固定資産税評価額。都心の物件は基礎控除を超えやすいのが実情です。
- 税率は10〜55%の累進。配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例は、制限納税義務者には適用範囲の制約があるため個別確認が必要です。
手続と期限
- 申告・納付期限:相続開始を知った日から10か月(相続税法27条)。海外書類(台湾の戸籍謄本・相続関係の整理・翻訳・認証)に時間がかかるため、直ちに着手を。
- 相続登記は義務化済み(不動産登記法76条の2・3年以内)——台湾在住の相続人にも適用され、怠ると過料があります。
- 日台間には相続税の二重課税を調整する協定の本体がなく、台湾側の遺産及び贈与税と日本側の課税が重なり得ます。両国の専門家に同時に相談を。
生前の対策
保有ストラクチャー(個人名義/日本法人/台湾法人)で税負担と手続は大きく変わります。購入前・健在なうちの設計が最も選択肢が多い局面です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-07-20)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。