ネットに悪評を書かれた・店内撮影を投稿された——ネット型カスハラへの法的対抗手段
2026-10-12
5秒でわかる結論
ネット型カスハラへの法的対抗手段を解説。証拠化(スクショ・URL・日時)、虚偽投稿への名誉毀損罪(刑法230条)・偽計業務妨害罪(233条)・民事の損害賠償と削除請求、発信者情報開示命令手続(2022年10月施行)とログ保存期間約3〜6か月の時間制約、店内撮影への肖像権に基づく中止要求、謝罪動画は絶対に撮らせないこと、「ネットに上げるぞ」の脅迫罪・恐喝罪該当性まで。
「言うとおりにしないとネットに書くぞ」——撮影・投稿・口コミでの中傷は現代型カスハラの典型です。拡散・残存するのが特徴ですが、法的な対抗手段は整っています。
1 まず証拠化:スクリーンショット+URL+日時
投稿は改変・削除されるため、発見したら直ちに投稿内容・日時・URL・アカウント名を保存します。削除請求・開示請求・損害賠償のすべての基礎になります。
2 虚偽投稿の法律構成
- 民事:会社の社会的評価を低下させる虚偽投稿は名誉権侵害として損害賠償(民法709条)・削除請求の対象。
- 刑事:名誉毀損罪(刑法230条)、虚偽の風説の流布による偽計業務妨害罪(刑法233条)・信用毀損罪。悪質な事案では刑事告訴も検討。
3 削除と投稿者の特定
- 削除はまずプラットフォームの通報窓口へ。
- 匿名投稿者の特定には発信者情報開示命令の手続(2022年10月施行の新手続)があり、旧来の二段階訴訟より迅速化。ただしアクセスプロバイダのログは概ね3〜6か月で自動消去されるため、削除請求と開示請求は並行して早期に。弁護士への相談は早いほどよい。
4 店内撮影・配信への対応
- 従業員への撮影には通常正当な理由も承諾もなく、肖像権・プライバシーを根拠に中止を求められる。応じなければ対応打切り・退去要請(応じなければ不退去罪=刑法130条のライン)。
- 謝罪場面は絶対に撮らせない。謝罪動画は断片情報として一方的に拡散し炎上リスクが極めて高い。撮影を拒否して謝罪しなければ、後の裁判で非を認めた証拠にもならない。
5 「ネットに上げるぞ」という発言自体
投稿を脅しに金銭や過剰サービスを要求すれば、態様により脅迫罪(刑法222条)や恐喝罪(刑法249条)になり得ます。この発言が出たらクレーム対応の範囲を超えており、記録・警察・弁護士の軌道に切り替えます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-10-12)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。