取引先が倒産したら——債権回収の最後の機会と禁じ手
2026-03-25
5秒でわかる結論
取引先の倒産への対応を解説。破産手続での債権届出、相殺(破産法67条・71条・72条)の活用、動産売買先取特権(民法321条)、所有権留保、破産直前の偏頗弁済の否認(破産法160条以下)、取り込み詐欺(刑法246条)と役員の対第三者責任(会社法429条)の追及まで。
破産手続開始後は個別回収が全面禁止され、債権届出による配当(一般債権の回収率は数%か零が現実)を待つのが原則です。
まだ札がある債権者
- 相殺(破産法67条):買掛金等の債務があれば自己の債権と相殺でき、実質最強の担保です。ただし危機時期後に取得した債権等による相殺は禁止されます(71条・72条)。
- 所有権留保があれば目的物の取戻し、動産売買先取特権(民法321条)があれば転売代金債権への物上代位が可能です。契約書に留保条項があるかがこの瞬間に効きます。
禁じ手
- 倒産直前の偏頗弁済の受領・担保取得・代物弁済は否認権(破産法160条以下)の対象で、受け取っても返還を命じられます。実力での商品引揚げは窃盗・恐喝に当たるリスクがあります。
取込み詐欺
- 倒産前の不自然な大量発注は詐欺罪(刑法246条)の告訴と役員個人への責任追及(民法709条・会社法429条)を検討します。
本体は平時の与信管理
- 信用調査・与信限度・所有権留保条項・経営者保証・取引信用保険——倒産対応の勝負は倒産前に決まっています。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-03-25)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。