文字

求人票の条件と実際が違う——「入社時に話せばいい」は訴訟と行政指導の入口

2026-02-20

閱讀本文中文版 →

5秒でわかる結論

求人票と実際の労働条件が違う場合を解説。職安法5条の3の明示義務と2018年改正の変更明示、求人票記載が契約内容となる方向の裁判例(八州測量事件・東京高判昭58.12.19労判421号33頁)、労基法15条の即時解除権、2024年4月の明示事項追加まで。

「求人票は高めに書いて、来てから実際の条件を話す」——このやり方は日本では職業安定法違反であり、しかも求人票の条件がそのまま労働契約の内容になる可能性があり、後から覆せません。

求人票の法的効果

求人票は単なる広告ではありません。裁判例の多くは、求職者が求人票の記載を信頼して応募・採用され、他に特段の合意がない場合、求人票記載の条件が原則として労働契約の内容になるとしています(八州測量事件・東京高判昭和58年12月19日労判421号33頁ほか。見込額とする例外判断もありますが、明確な説明が前提です)。「月給30万円と書いて25万円しか払わない」なら、差額5万円の債務です。

職業安定法5条の3:変更明示義務

2018年改正により、当初明示した条件を変更・特定・追加する場合は、労働契約の締結前に書面等で変更内容を明示しなければなりません(新旧対照での明示も可)。違反には行政指導・改善命令・企業名公表(48条の3・51条の2)、虚偽の求人には罰則があります(65条9号)。

労基法15条:契約締結時の明示義務

経営者のチェックリスト

  1. 求人票・採用サイト・労働条件通知書・実際の運用の4つの一致を定期点検(手当の名称・金額が最もずれやすい)。
  2. 「固定残業代」は3要素(金額・対応時間数・超過分は別途支給)を求人票にも記載。
  3. 面接の過程で条件が変わったら、内定通知の前に変更明示の書面を交付し控えを保存。
  4. 外国人の応募者には、翻訳版の条件書と日本語版の内容を一致させる(「聞いていた話と違う」型の紛争が最多です)。

※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-02-20)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。

← 記事一覧に戻る

企業・経営者の方のご相談

労働問題(懲戒・解雇、ハラスメント対応、残業代等)や不動産に関するご相談は、
メールでご連絡ください。

bengoshun@gmail.com

Threads(@bengoshun)のDM でのご連絡も可能です。

※ 本サイトは山﨑駿個人の情報発信サイトです。ご連絡内容は秘密として取り扱います。