警察に呼び止められたら——在留カードは必ず見せるべきか、拒否するとどうなるか
2026-07-05
5秒でわかる結論
職務質問自体は任意(警察官職務執行法2条)だが、在留カードの携帯・提示は義務(入管法23条)。不携帯は20万円以下の罰金、提示拒否は1年以下の拘禁刑。カード以外の所持品検査は同意が原則。正しい対応の仕方。
路上で警察官に「カードを見せてもらえますか」と呼び止められる——在日外国人のほとんどが経験します。法律上の整理は次のとおりです。
職務質問自体は「任意」
- 警察官が停止させて質問する根拠は警察官職務執行法2条1項で、異常な挙動等から合理的に判断して疑わしい者を「停止させて質問する」ことができます。性質上は任意手段であり、強制連行や身体捜索はできません(捜索には令状か逮捕が必要)。
- ただし実務上、激しく拒否すると時間が長引きがちです。相手が警察官であることの確認(警察手帳の提示要求)をしたうえで、冷静に対応するのが現実的です。
在留カードは別問題:携帯・提示は「義務」
- 中長期在留者には在留カードの携帯義務があります(入管法23条2項)。違反(不携帯)は20万円以下の罰金です(入管法75条の3)。
- 警察官・入国審査官等から求められた場合の提示義務もあります(入管法23条3項)。提示拒否は1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金です(入管法75条の2)。
- つまり、質問には多くを答えなくてもよい一方、在留カードは携帯し、求められたら見せる必要があります。この2つの義務は別物です。
- 特別永住者(特別永住者証明書)には常時携帯義務はありません。16歳未満にも携帯義務はありません。
- 在留カードを持つ人は旅券の携帯は不要です(入管法23条1項ただし書)。在留カードのない短期滞在者(観光など)には旅券携帯義務があります。
実務上のアドバイス
- 在留カードは常に携帯を——家に忘れた時点で携帯義務違反は成立し、後から提示しても同じです(実務上、初回は警告で済むことが多いものの、それは権利ではありません)。
- 提示を求められたら提示し、カード以外の要求(スマホの中身・バッグの中)は拒否できます——所持品検査は原則として本人の同意が必要です。
- 対応が不当と感じたら(長時間の拘束・強引な捜索)、警察官の所属・氏名を控え、都道府県公安委員会への苦情申出(警察法79条)や弁護士への相談を。
- 勤務中に職務質問を受けて雇用主に誤解された場合も、職務質問を受けたこと自体は違法の記録ではなく、在留審査に影響しません。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-07-05)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。