ビル・寮の「宿直」は給料が安くていい?——宿直・日直の許可制
2025-09-12
5秒でわかる結論
宿直・日直の労基署許可制(労基法41条3号)を解説。許可の基準(ほとんど労働する必要のない勤務)、仮眠時間が労働時間とされた大星ビル管理事件最高裁判決との関係まで。
ビル管理・寮の管理人・クリニックの夜間当番——「宿直手当は一晩3,000円」という扱いは合法でしょうか。鍵は一枚の紙、労基署長の許可です。
宿直・日直とは
- 正規の勤務の外で行う断続的労働:実作業がほとんどなく、待機が中心——夜間の宿直・休日の日直です。
- 労基署長の許可を得ると、その時間には労働時間・休憩・休日の規定が適用されません(労基法41条3号・施行規則23条)——だから低額の「宿直手当」での処理が可能になります。
許可の基準(行政通達)
- 業務内容:定時巡視・緊急の電話対応など軽度・断続的な業務に限る——通常業務の延長である「残業の続き」には許可が出ません。
- 手当:宿直1回につき、その事業場の労働者の1日平均賃金の3分の1以上。
- 頻度:宿直は週1回・日直は月1回が限度。
- 設備:宿直には睡眠できる設備が必要。
許可のない「当番」
許可を取っていない夜間当番は通常の労働時間です:8時間超の25%・深夜25%がすべて発生し、「一晩3,000円」と法定額の差額を遡って請求できます。また、許可があっても、許可条件を超える実作業(頻繁な対応)が発生した時間には割増が必要です。
仮眠時間の重要判例
大星ビル管理事件(最一小判平14.2.28民集56巻2号361頁):ビル管理員の夜間の仮眠時間も、警報・電話への対応が義務づけられていれば労基法上の労働時間です。「寝ていても勤務時間」——対応義務の有無が分かれ目です。介護・警備・施設管理の夜勤者にとって、仮眠時間の扱いは残業代請求の大きな争点になります。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-09-12)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。