役員の解任と損害賠償——会社法339条の「正当な理由」
2026-09-05
5秒でわかる結論
取締役の解任を解説。株主総会の普通決議でいつでも解任できること(会社法339条1項)、正当な理由のない解任の損害賠償(339条2項・残任期の報酬相当額)、任期10年設計の賠償リスク、少数株主による解任の訴え(会社法854条)、監査役の解任は特別決議(343条4項)であることまで。
取締役は株主総会の普通決議でいつでも解任できますが(会社法339条1項)、正当な理由を欠く解任では会社が残任期の報酬相当額を賠償する責任を負います(同条2項)。
「正当な理由」の相場
- 肯定方向:職務執行上の不正行為、法令・定款の重大な違反、心身の故障、客観的に立証できる程度の著しい職務能力の欠如。
- 否定方向:経営判断の失敗(結果論の業績不振)、路線対立や感情的な不和。これらでも解任自体は可能ですが賠償が発生します。証拠は解任前に固定しておくべきです。
任期設計という伏線
- 非公開会社では任期を10年まで伸長できますが(会社法332条2項)、任期が長いほど解任時の賠償は重くなります。外部招聘役員は1〜2年、信頼できる親族は長期という使い分けが定石です。
実務の選択肢
- 第一選択は合意辞任(退職慰労金の条件交渉込み)、次が任期満了時の不再任です。解任決議は賠償覚悟か正当理由の証拠が揃った場合に。株主総会で解任議案が否決された場合、3%株主は解任の訴え(会社法854条)を提起できます(不正行為・重大な法令定款違反に限定)。監査役の解任は特別決議が必要な点にも注意してください(会社法343条4項)。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-09-05)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。