「今年中に有休を5日取ってください」は会社の義務——年5日取得義務と時季指定
2026-04-23
5秒でわかる結論
年10日以上の有休が付与される労働者には、会社が年5日を取得させる義務があります(労基法39条7項・2019年施行)。未達成は会社に罰則(120条・30万円以下の罰金×人数分)。時季指定の方法と計画年休、違法パターンを解説。
「会社がしきりに有休を取れと言ってくる」——これは会社の親切ではなく法律上の義務です(違反の罰則は会社側に科されます)。
年5日取得義務
- 対象:年10日以上の有休が付与される労働者(長期のパート・外国人も当然含まれます)。
- 会社の義務:付与基準日から1年以内に5日取得させる(労基法39条7項)。労働者が自分で請求した日数・計画年休の日数は充当できます(39条8項)。
- 罰則:未達成は1人につき1違反として30万円以下の罰金(120条)。労基署調査の定番確認項目です。
会社が日付を指定できるか
できます——5日達成のために会社は時季指定ができますが、事前に労働者の意見を聴取し尊重することが必要です(労基法施行規則24条の6)。「全社一律で年末に消化」という乱暴な指定は手続に瑕疵があります。
よくある違法パターン
- もともとの会社休日を「有休取得日」に変える:従来の夏季休暇・年末年始休日を有休消化に付け替える——休日総数の実質的削減であり、行政解釈上許されません(就業規則の不利益変更の問題も生じます)。
- 「5日だけ取ればいい、あとは請求するな」という空気:時季変更権(39条5項)は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限られ、原則として取得日は労働者の自由です。
- 年休管理簿の未作成:時季・日数・基準日を記載した管理簿の作成は義務(施行規則24条の7)、保存は5年(当分の間3年)です。
外国人によくある疑問
- 「台湾への一時帰国で10日まとめて取ると白い目で見られる」——長期の取得も正当な権利です。シフト調整のため早めの申請をお勧めしますが、会社は「長すぎる」ことを理由に拒否はできません(限定的な時季変更権の行使ができるだけです)。
- 退職前の一括消化と5日義務は別の制度です——退職時の未消化有休について会社に買取義務はありませんが、実務では買取りの協議がよく行われます(退職時の有休の記事参照)。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-04-23)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。